Elvin Jones Trio


初めて彼を意識したのは、Michel Sardabyの『Gail』。当時ピアノ・トリオにハマっていて、トリオって結局ピアノじゃなくて、ドラムとベースこそが良し悪しに関わってくるなあなんて思ったのが最初(『Gail』は曲によってパーカスも入ってるんで純粋なトリオじゃないけど)。再会はドルフィーの『Out To Lunch!』。サルダビーよりも先に聞いていたCDだけど、ふとパーソネルを眺めていたときに彼の名前を見つけて驚いた。やはり好きな作品だったからだ。その後、Marvin Petersonみたいなフリー寄りの作品から、Cal Tjaderみたいなラテンでも、忘れた頃に意外なところからひょっこり顔を出す。知らないところで、僕の愛聴盤を支え、彩っている。先述のRichard Davisとはそんな人でした。そして気付けば彼の虜なのです。で、Elvin Jonesとの双頭トリオとも言えるこの動画。『Heavy Sounds』というタイトルでImpulseに作品を残してもいます。奏法をどうこう言う知識を僕は持ちあわせてないけれど、こんなにも強靭で危うい、躍動的なベースは、彼の指からしか聞くことはできない。言葉足らずだけれど、自らに課している、彼の名前を見つけたら有無を言わず買うという、使命とも憧憬ともつかないそれが、思いの丈の全てです。