Darkthrone


Mayhemの登場に端を発し、ノルウェイを中心に巻き起こった悪魔主義を標榜するアンダーグラウンドヘヴィ・メタル・ムーヴメント、ブラック・メタル。その当時の狂気が昂じていく過程を追ったのが98年の名著『Lords Of Chaos』。そしてついにその日本語版となる『ブラック・メタルの血塗られた歴史』が刊行されました。こういうカウンター・カルチャーは、僕のような外様気取りの人間に届く頃には結局トレンド化してしまっているように思われ、素直にその波に乗ることに躊躇してしまう。自殺、殺人、教会放火などのゴシップ面だけではなく、ネオナチとの結びつきや、キリスト教伝来以前への宗教/文化回帰など、思想的/文化的に興味を駆られるものは多いけれども、だからこそ求めるほどに感じられるのは、ただ絶望的な距離だ。動画はブラック・メタル草創期においてシーン拡大の起爆剤になったDarkthrone、その91年ブラック・メタルへの転換期(元々はデス・メタル)、フィンランドでのライヴ映像。